2017年8月3日

1滴の血液で13種のガンを早期発見できるようになる


血液1滴、がん13種早期発見...3年めど事業化〔読売新聞〕(Medical Tribune)
国立がん研究センター(東京都)などは、血液1滴で乳がんなど13種類のがんを早期発見する新しい検査法を開発し、来月から臨床研究を始める。同センターの研究倫理審査委員会が今月中旬、実施を許可した。早ければ3年以内に国に事業化の申請を行う。

 一度に複数の種類のがんを早期発見できる検査法はこれまでなく、人間ドックなどに導入されれば、がんによる死亡を減らせる可能性がある。

 検査法では、細胞から血液中に分泌される、遺伝子の働きを調節する微小物質「マイクロRNA」を活用する。がん細胞と正常な細胞ではマイクロRNAの種類が異なり、一定期間分解されない。

 同センターや検査技術を持つ東レなどは、がん患者ら約4万人の保存血液から、乳房や肺、胃、大腸、食道、肝臓、 膵臓すいぞう など13種類のがんで、それぞれ固有のマイクロRNAを特定した。血液1滴で、がんの「病期(ステージ)」が比較的早い「1期」を含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断できた。乳がんは97%だった。

ただ、保存血液ではマイクロRNAが変質している可能性もある。臨床研究では、患者や健康な人約3000人から提供してもらった新しい血液を使う。

 乳房や胃、肺、大腸などのがんの早期発見では、エックス線や内視鏡などによる検診が有効とされるが、部位ごとに検査を受ける必要がある。

 今回の検査法では、診断の確定に精密検査が必要になるが、同センター研究所の落谷孝広分野長は「いくつものがん検診を受けなくて済む。いずれは、がんのステージや特徴も分かるようになるだろう」と話している。

 黒田雅彦・東京医科大主任教授(分子病理学)の話「欧米でもマイクロRNAを使った病気の早期発見を目指す研究が盛んだが、今回ほど多数の患者で解析した例はなく、非常に有用だ」
これは実用化してほしいですね。

2017年8月1日

希少がん薬開発へオールジャパンで取り組む

国立がんセンター、希少がん薬開発へ 小野薬などと(日経)
今秋から患者のゲノム(全遺伝情報)を解析し、遺伝子などの異常に合わせて最適な薬を探る。患者数が少ないといった理由で新薬の開発が遅れているが、遺伝子変異が多くのがんで共通するとの見方がある。幅広く使える新薬の実現も見すえ、官民が連携する。

開発には、アステラス製薬や武田薬品工業、エーザイなども加わる。

希少がんの薬は開発に力を入れるだけの市場がないとされ、製薬会社も積極的ではなかった。

希少がんは脳腫瘍の一種のグリオーマや軟部肉腫のほか、肺がんや乳がんなどのうち特殊な組織のタイプを含む。それぞれ年間の発生数が10万人あたり6人未満という。

複数の希少がんに共通する遺伝子変異に効く薬ができれば、対象の患者数は増える。すべての希少がんを合わせると、患者数はがん全体の約15%を占めるという。希少がん以外のがんにも有効ならば、市場はさらに広がる。
日本を代表する製薬会社で参加するということで、ほぼオールジャパンといった布陣になりそうです。